口伝

てんから釣り

てんから釣りとは、かつて木曽・飛騨地方の職業漁師が、毛鉤を使ってヤマメやイワナなど渓流漁を釣る釣り方で、九州ではあまり行われていませんでしたが、1980年頃からだんだんと情報や道具類も販売されるようになりました。昨今、雑誌などで取り上げられるようになり、レベルラインや長竿など進化し続けるてんからですが、私は80年代スタイルにこだわり続けています。

毛鉤について

材料は、蓑毛にニワトリの首毛を使用し、なるべく毛が太いものを密に巻く。胴は黄土色の毛糸をほぐして使用し、胴にはオーストリッチ(ダチョウの羽)を縞になるように巻き上げる。ハリはTMC760SPフライフィッシング用のウエット用14~8#を使用。


毛鈎の特徴

この毛鈎の最大の特徴は、鉤の重さと密に巻いた蓑毛である。水面のエサに対してはすばやい動きを見せるヤマメも、水面下のエサに対しては、長時間咥えているため、自重の重い鉤によって、毛鉤を沈め、分厚く巻いた蓑毛によって水面下10センチ程度の場所を流れるように設計している。

水中での光り方がちょうどよく、視認性も良い。毛鉤の自重が重いので、水面下を流れる。鈎もちがいい。


釣法

この毛鉤は、フライフィッシングで使うカディスパターン(トビケラ)に似ている。視認性が高いので、水面下10センチを流すほか、水面下を引いて誘ってもよい。
主な仕掛けは、竿が先調子のテンカラ竿3.2m、道糸が櫻井釣漁具マスターラインのイエローを使い、ハリスはフロロカーボン1号を矢引き程度。
釣り方は、流れの上流に毛鉤を打ち込んで、毛鉤を沈ませラインの張り具合によってあたりをとる。

・毛鉤は見ない
・毛鉤は沈める

・川中に立ちこまない

・落ち込みの肩を釣る

・必ず手前から釣る

・正眼に構える

・毛鉤を操作しようとしない

・糸ふけであたりを取ること